前回までのあらすじ:『世界がばらばら。』
【お天道様と魔王】








「は~あ。やだやだ」
「何あれ。最悪じゃん。手も足も出ないどころか、手と足取られちゃったよ」
「お天道様に叱られちゃうなあ」
「……並行世界じゃなくて宇宙(ソラ)からの介入。無差別攻撃ってわけか。まいったね」
「わざわざこっちの世界に慣らして入ってきやがって。寄生虫が」
「女神。それもかなり上位の、それでいて、喰えるやつを喰いやがったな。俺のパクリ!」
「これだけ対処できないってことは、俺の弱点をうまくつける神格だってことだ」
「名前からして、こっちで言うアシェラトだな。出産と快楽の女主人、最高神の正妻、そして豊穣の女神!」
「それに山羊やら蛇やら入り混じってるし……潜入と傍観に特化した神格……じゃないな、規格外の器もあるのか」
「……あいつ、大丈夫そうだなあ」
「草原、川原。こっちにはないものだ」
「みずたまりも元気そうだし」
「いいなあ。楽しそう……」
「……知ってたんだろうなあ」
「知ってて、ソラニワにいったんだろうなあ」
「俺も用無しってことかな……」
「あれだけ魅力的な怪物が来たら、お天道様もメロメロになっちゃうだろう」
「ああ。そりゃ」
「誑かしたのは俺だし。滅ぼしたのは俺だし。一方的に好きだったのは俺の方だったけど」
「それならせめて、もうちょいさあ、別れ話くらいしてくれればいいのにさ……」

◆◆◆◆
「諦めはついたか」
「諦めはついたか」

◆◆◆
「……ざあんねんでしたあ」
「……ざあんねんでしたあ」

◆◆◆
「魔王はしつこくてしぶといんですぅ」
「魔王はしつこくてしぶといんですぅ」

◆◆◆◆
「第二形態とな。愉快愉快。それでは踊れ、下等生物」
「第二形態とな。愉快愉快。それでは踊れ、下等生物」

みずたまり
「ゆゆゆ!」
「ゆゆゆ!」

みずたまり
「ゆーゆゆ。ちゅ!ちゅちゅる、わぴゅー!!」
「ゆーゆゆ。ちゅ!ちゅちゅる、わぴゅー!!」

招待客のTさん
「なるほど」
「なるほど」

招待客のTさん
「初耳だ」
「初耳だ」

みずたまり
「ゆ!?」
「ゆ!?」

招待客のTさん
「想像以上、といったところか」
「想像以上、といったところか」

みずたまり
「ぷわわ……ぴ?」
「ぷわわ……ぴ?」

招待客のTさん
「知っていたとも。しかし、あのような『外鳴神』とは聞いていない」
「知っていたとも。しかし、あのような『外鳴神』とは聞いていない」

招待客のTさん
「ラジオの主はそれも想定していたのだろうが」
「ラジオの主はそれも想定していたのだろうが」

みずたまり
「ぴー」
「ぴー」

招待客のTさん
「あれもあれで考えがあるというのは知っている」
「あれもあれで考えがあるというのは知っている」

招待客のTさん
「だが、我輩にも我輩の考えがある」
「だが、我輩にも我輩の考えがある」

招待客のTさん
「だからこそ、そなたを連れてここに来た」
「だからこそ、そなたを連れてここに来た」

みずたまり
「ゆ?」
「ゆ?」

招待客のTさん
「水鏡よ。まだ待て。しばし待て」
「水鏡よ。まだ待て。しばし待て」

招待客のTさん
「今はその時ではない。我輩たちはソラニワにて、まだやるべきことがある」
「今はその時ではない。我輩たちはソラニワにて、まだやるべきことがある」

招待客のTさん
「リリトは最後まであがくだろう。保険もある。そう簡単に滅びはしない」
「リリトは最後まであがくだろう。保険もある。そう簡単に滅びはしない」

みずたまり
「ゆゆゆゅ。ゆゆ……!」
「ゆゆゆゅ。ゆゆ……!」

招待客のTさん
「花を。言葉を。集めて、新たなものを作る」
「花を。言葉を。集めて、新たなものを作る」

招待客のTさん
「そのために我輩はこの地に降りたのだから」
「そのために我輩はこの地に降りたのだから」
テンのレポート③
・見渡す。
・近づく。
・石。
・かわら。かに。
・進化する水鏡。
・ヨグ。此度はアシレト。
・這い寄る蛇。
・◆。
・残り4。
【咀嚼。】