祈り

にんげん
「かみさま!選んでくださり、ありがとうございます!」
「かみさま!選んでくださり、ありがとうございます!」

にんげん
「私の身を、私の全てを、貴方に捧げます!」
「私の身を、私の全てを、貴方に捧げます!」

にんげん
「ですから、どうか、どうか!この地に慈雨をもたらしてください!」
「ですから、どうか、どうか!この地に慈雨をもたらしてください!」

にんげん
「……生贄に刃を」
「……生贄に刃を」
*ぐちゃん*
したいははがされ、きりわけられて、かみのもとへと▼
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【施し】

にんげん
「あ゛あ゛あああ゛ぁああ゛あ!!!」
「あ゛あ゛あああ゛ぁああ゛あ!!!」

かみさま(誰か)
「ゥォォォ」
「ゥォォォ」
繧ュ繝・繝?は、したいをなおした!▼

にんげん
「や゛めでぇ!い゛だいだいいだいい゛い」
「や゛めでぇ!い゛だいだいいだいい゛い」

かみさま(誰か)
「ォォォォ」
「ォォォォ」
繧ュ繝・繝?は、したいをなおした!▼

にんげん
「ごっ、こ゛ろしでぇ!ぎゅっ、ぎゃああ」
「ごっ、こ゛ろしでぇ!ぎゅっ、ぎゃああ」

かみさま(誰か)
「ウォオ」
「ウォオ」
繧ュ繝・繝?は、したいをなおした!▼

にんげん
「あ゛あ!たすげて!なんでえ!」
「あ゛あ!たすげて!なんでえ!」

かみさま(誰か)
「ゥォオオオ」
「ゥォオオオ」
繧ュ繝・繝?は、したいをなおした!▼
繧ュ繝・繝?は、したいをなおした!▼
繧ュ繝・繝?は、したいをなおした!▼

にんげん
「ひ゛どでなしぃいい゛い!!!!」
「ひ゛どでなしぃいい゛い!!!!」
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【ニ度目の雷霆】


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「生きた人間は痛みに耐えられぬ」
「生きた人間は痛みに耐えられぬ」

■■■
「生きることのなかったお主には、理解できぬだろうが」
「生きることのなかったお主には、理解できぬだろうが」

かみさま(誰か)
「ォォオオ」
「ォォオオ」

■■■
「我輩は直せぬだろう」
「我輩は直せぬだろう」

■■■
「成ったものは、欠けぬ」
「成ったものは、欠けぬ」

かみさま(誰か)
「……」
「……」

■■■
「お主は、してもらったことを返そうとしたのだろう」
「お主は、してもらったことを返そうとしたのだろう」

■■■
「だが、死からの復活は民が望むものではない」
「だが、死からの復活は民が望むものではない」

■■■
「求められている願いは、恵み。我輩の領域である。故に、我輩が代行している」
「求められている願いは、恵み。我輩の領域である。故に、我輩が代行している」

かみさま(誰か)
「ゥゥウ」
「ゥゥウ」

■■■
「子よ。天へ、至るか」
「子よ。天へ、至るか」

■■■
「地に服す気はなく、人に満ちる器もなく――」
「地に服す気はなく、人に満ちる器もなく――」

■■■
「――天を知らぬと言うならば、空を目指すもまた一興」
「――天を知らぬと言うならば、空を目指すもまた一興」

かみさま(誰か)
「……ウウォ」
「……ウウォ」
*がちゃん*
とびらがひらかれた!▼
そとはくもっている……▼

■■■
「我輩を見よ。我輩に至れ」
「我輩を見よ。我輩に至れ」

■■■
「然らば、お主に全てを与えよう」
「然らば、お主に全てを与えよう」

■■■
「姿を。名を。力を。世界を!」
「姿を。名を。力を。世界を!」

かみさま(誰か)
「ウ、ウウオオオ」
「ウ、ウウオオオ」

■■■
「来い。追うがよい」
「来い。追うがよい」

かみさま(誰か)
「オオオオオ」
「オオオオオ」
繧ュ繝・繝?は、■■■をおった!▼
*ぽつぽつ*
あめがふりはじめた……▼
*ぼたぼた*
*ざあざあ*


かみさま(誰か)
「ォォォオオオ、ウゥゥォォオオオオ」
「ォォォオオオ、ウゥゥォォオオオオ」
繧ュ繝・繝?は、おおきくさけんだ!▼
*どん*
*ごろごろごろごろ*
かみなりがなりひびく!▼
__________________________反転
「御神体は何処に行った!?」
「あれに逃げられる足などあるものか!」
「雨が止まない!」
「作物がパァだ」
「上の地域は壊滅らしい」
「洪水がまた」
「この地を捨てるしかないのか!?」
「おい、なんだ、この地鳴りは………………」
__________________________

―――
「残念ながら――」
「残念ながら――」

―――
「天は最初から、君らの心情なんて知ったこっちゃないんだ」
「天は最初から、君らの心情なんて知ったこっちゃないんだ」
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不浄の蠱毒から唯一生き残った子供は、地を蹴り、叫び、天へと飛び立った。
残された有象無象は嘆く。
「神は我らを裏切った!」
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☆

キュム
「ゆゆゆ」
「ゆゆゆ」
子は、夜道を歩いている。
さくさく、と草を踏む音。
少し早足で、水辺へと向かう途中である。

【黒滲】
「……」
「……」

キュム
「……?」
「……?」
ふと、子は立ち止まった。遠くに、何かが見えたのだ。

キュム
「ゆゅ!」
「ゆゅ!」
それを捕らえようと、子は走る。
だが、地面に溶けるように、消えてしまった。

キュム
「?」
「?」
消えたあたりの土を濡れた袖でつついてみるが、何も起こらない。

キュム
「ゆー」
「ゆー」

【黒滲】
「……」
「……」
子供は、背後にいるそれに気づかない。

【黒滲】
「積乱雲は、わたしに気づいてはいけない」
「積乱雲は、わたしに気づいてはいけない」

【黒滲】
「さっきのは、危なかったな」
「さっきのは、危なかったな」

【黒滲】
「……追いつかれるかと」
「……追いつかれるかと」
子供には聞こえない、地鳴りのような声。
独り言をつぶやくそれは、不思議そうにしている子の傍に、毛布を置く。

キュム
「ゅう!」
「ゅう!」
毛布に気づいた子は、それを抱きかかえるようにして、どこかに行ってしまった。

【黒滲】
「……今日も、楽しそうでよかった」
「……今日も、楽しそうでよかった」

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「おいおい、どういう風の吹き回しかな」
「おいおい、どういう風の吹き回しかな」

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「キュムちゃんを殺すつもりかい?」
「キュムちゃんを殺すつもりかい?」

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「……その通り」
「……その通り」

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「我輩(神)は、積乱雲(人)を殺す」
「我輩(神)は、積乱雲(人)を殺す」