豪雨



【一度目の雷霆】







___________________________反転


【地の願い】

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「お前が唆したんだろうが」


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「それは否定しないよ。けれど、君(表)が許したってことは、正当だろう?」


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「正当であるものか、正当になってたまるか!生きるものは死に、二度と蘇らない!それを、神自身が覆し、神の真似事を許すなど!」


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「あれが真似事に見えるとはね。……それに、これが正当になったのは君(裏)もそれを望んだからだよ?」


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「……何を、」


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「君(裏)はたいそう苦しんでたじゃないか。生きるものは死に、二度と蘇らない、と。君(生)と君(死)があるから。」


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「だから、言ってやったのさ。君(表)の君(裏)が悲しんでいるよ、ってね!そうだろ、死の淵の神。冬の王。腐り果て、大地を肥やす嘆きの帝。君(裏)は、大事な大事な生き物たちが、……訂正。大事な大事な弱き者が、死んでいくのが辛いんだろう?」


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「それは、……必要な嘆きだ。我輩の責務であり、我輩の仕事だ。お前らが手を出すことじゃない!」


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「ああそう。勝手に言ってれば?君は弱いんだから。」


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「……面白いよねー。最後の一人になるまで殺し合わせて、残り一つになったら崇め奉るなんて!なんて面白いんだろう!俺よりも俺らしい!情というやつをばら撒いたかいがあった!」


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「ともかく、あの子が残ったことで、成功したんだよ。君(表)を侵食することに。」


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「……お前、まさか」


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「しばらくして上手くいってたら、あの子を迎えにいこうか、愛しの君(表)。あれは実質俺たちの子供だ」


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「それで。もしも、あれが本物の神様になりうるのなら――君は用済みになるだろう」


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「魔王だって神様を殺せるようになる。さあ、君(表)にお戻りよ」


―――
「全知全能で、何も知らない、泡沫の君」











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      , ´  `ヽ    ○  。
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キュム
「ゆぷゃ……」


子は、プールでぷかぷか浮いていた。

キュム
「ゆゆぅ」


水に浮かぶのは、とても心地が良い。
子は、水辺が好きだった。なぜかは知らないが、落ち着くのだ。

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……知らないだろう、知らないだろう!知るものか!あの自分(表)がそうしているならば!
記憶は呪いだ、思い出は地獄だ、形見はお前自身だ!

お前の体は水と雷なんかじゃない。血肉と泥だ、そう生まれてくるはずだった!そうでないのなら、ずっと眠っているべきだった。目なんて開けるべきじゃなかった!生まれるということは、死ぬことだ!それが全てだ。そうあるべきだ!

どうして。
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キュム
「ぅゅ?」


水面が揺れる。誰かプール入ったのだろうか?

キュム
「ゆぴゅー」


子も揺れる水に感化されたように、泳ぎだした。