GM
足音。
GM
3人が合流したのを待っていたかのように、女は現れます。
ストレナエ
「あらあら…………」
ストレナエ
「3人も残ってくれていたんですね」
ストレナエ
「あと1人2人は脱落するかと思っていましたが…………」
ストレナエ
「ですが、あなたたち3人であれば好都合」
ストレナエ
「では、裁判を始めましょう」
ストレナエ
「あなたたちと私、どちらが犠牲となるのでしょうね?」
アルビー
「……殊勝だね」
アルビー
周りに銃が姿を現す。
もう慣れたものだった。
アルビー
震えはない。
……今は。
リラ
怖い。怖くない。どちらだろう。
リラ
自分が何をできるかもわからないけど。
でも、頑張るって決めたのは本当だから。
リラ
「あなたの満足は、結局わからないけど……。ストレナエさん、楽しく酔えそうなんですか?」
ストレナエ
「ええ!とっても」
軽やかな声。
リラ
「……そうですか。じゃあ、やっぱり私はあなたがわからないです」
それだけ言って、目を閉じる。覚悟はきっとできたから。
ティット
「なるほどなるほど。楽しく酔えているなら何よりだ!こーんな酔狂な舞台、酔いが回ってこそ愉快に立ち回れるってもんさ!」
ティット
「それじゃあ、皆さま準備は万端かい?」
アルビー
「ああ、いつでも」
リラ
「……うん」
アルビー
「……悪酔いも、していないしね」
ティット
「それでは、愉快なセッションのはじまりはじまり~。どんなカプリッチオが奏でられるのか、お楽しみに!!お気に召さずば、ただ夢を見たと思ってお許しを!」
GM
はじまりとおわりの裁判が始まる。
GM
麦藁の女王を倒さなければ、あなたたちに明日はない。
GM
GM
*裁判前最終アイテム譲渡タイム
リラ
*フライパンをティットに渡すぞ!
[ リラ ] フライパン : 1 → 0
[ ティット ] フライパン : 0 → 1
GM
*裁判開始
GM
* 一部技能や小道具の使用
(仕込の宣言・時計の使用)
アルビー
*日刻みの時計使用
[ アルビー ] 日刻みの時計 : 1 → 0
白い布で包まれた物体
*装備付与:仕込により、ストレナエが水パイプと免罪符を取得。
ティット
*日刻みの時計使用
[ ティット ] 日刻みの時計 : 1 → 0
[ ストレナエ ] 水パイプ : 0 → 1
[ ストレナエ ] 免罪符 : 0 → 1
ティット
*仕込みで水パイプを取得
[ ティット ] 水パイプ : 0 → 1
GM
* 行動順の決定
(1D6+【才覚】+[時計使用者は+2]で振ってください)
アルビー
1d6+3+2 先制値∔時計 (1D6+3+2) > 4[4]+3+2 > 9
リラ
1d6  (1D6) > 3
ストレナエ
1d6+3 先制値 (1D6+3) > 6[6]+3 > 9
ティット
1d6+2 (1D6+2) > 3[3]+2 > 5
アルビー
1d6+3+2 先制値∔時計 (1D6+3+2) > 3[3]+3+2 > 8
ストレナエ
1d6+3 (1D6+3) > 5[5]+3 > 8
アルビー
1d6+3+2 先制値∔時計 (1D6+3+2) > 3[3]+3+2 > 8
ストレナエ
1d6+3 (1D6+3) > 2[2]+3 > 5
GM
*ラウンド1
GM
*手札の補充
ストレナエ
*d2,s5,h7,h8,dA
アルビー
*h2,h3,h5,h9,cK
リラ
*s2,c8,h10,hJ,dQ
ティット
*d3,s3,d6,d10,hQ
GM
*手番:アルビー
アルビー
*cK奪取⇒ストレナエ
アルビー
2d6+3+1=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1>=7) > 9[3,6]+3+1 > 13 > 成功
アルビー
*h8を奪取
GM
*手番:ストレナエ
ストレナエ
*こしょうをリラさんに使用
[ ストレナエ ] こしょう : 1 → 0
[ リラ ] R1:ス 衰弱 : 0 → 2
三月兎たち
*技能習得:奉仕
ストレナエ
*s5霞斬→リラ
アルビー
*h9妨害
アルビー
*h3精確
アルビー
1d6 (1D6) > 2
リラ
*援護!
アルビー
2d6+3+1+4=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+4>=7) > 8[6,2]+3+1+4 > 16 > 成功
ティット
ストレナエ
*d2精確
ストレナエ
1d6  (1D6) > 3
ストレナエ
2d6+3+1+1-2+2+3=>16 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2+2+3>=16) > 8[5,3]+3+1+1-2+2+3 > 16 > 成功
ストレナエ
1点+看破で+2点+衰弱+2点です
リラ
*s2防壁😢
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 6[1,5]+3 > 9 > 成功
ストレナエ
5点が3点と1点軽減されて1点ダメージ。
[ リラ ] HP : 20 → 19
[ リラ ] HP : 20 → 19
アルビー
*h8妨害 *h3精確
ティット
*援護します
アルビー
1d6 (1D6) > 2
アルビー
2d6+3+1+4=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+4>=7) > 7[5,2]+3+1+4 > 15 > 成功
アルビー
*器用でh5捨て
ストレナエ
2d6+3+1+1+2+2=>16 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2+2>=16) > 8[4,4]+3+1+1+2+2 > 17 > 成功
ストレナエ
C(3+3)  ダメージ c(3+3) > 6
ストレナエ
威力が6点+衰弱で+2点+奉仕で+2点
[ リラ ] HP : 19 → 10
GM
*手番:ティット
ティット
*d3 鋭気
ティット
*d6 露払 三月兎たち
ティット
2d6+3=>7  判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 9[4,5]+3 > 12 > 成功
ティット
ティット
ティット
2d6+2+3 (2D6+2+3) > 6[1,5]+2+3 > 11
ティット
*フライパン使用します
[ ティット ] フライパン : 1 → 0
ティット
1d6 (1D6) > 1
ティット
*逆転します
[ 三月兎たち ] HP : 13 → 0
[ ティット ] the rules of the game : 0 → -1
GM
*手番:リラ
リラ
*dQ 回復
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 2[1,1]+3 > 5 > 失敗
リラ
😢
リラ
ファンブル表振ります😢
リラ
1d6  (1D6) > 4
リラ
Choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》] (choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》]) > 《衰弱》
[ リラ ] R1リ 衰弱 : 2 → 3
GM
*手札破棄
ティット
*hQ捨て
アルビー
*捨てなし
リラ
*全捨て~
ストレナエ
*dA捨て
GM
*ラウンド2
GM
*手札の補充
ストレナエ
*s4,c5,s6,h7,s9,sA
ティット
*s3,d5,d9,d10,dJ
リラ
*c3h4,c7,c10,dK
アルビー
*d4,c4,s8,c9,Jo
GM
*手番:アルビー
アルビー
*パス
GM
*手番:ストレナエ
ストレナエ
*s6霞斬→リラ
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 11[5,6]+3+1+1-2 > 14 > 成功
ストレナエ
1点+看破で+2点+衰弱+2点です
リラ
*c3防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 10[5,5]+3 > 13 > 成功
[ リラ ] HP : 10 → 9
アルビー
*s8妨害 *d4精確
アルビー
1d6 (1D6) > 2
リラ
*援護援護!
アルビー
2d6+3+1+4=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+4>=7) > 8[2,6]+3+1+4 > 16 > 成功
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>16 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=16) > 3[1,2]+3+1+1+2 > 10 > 失敗
ストレナエ
*c5霞斬→リラ
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 5[2,3]+3+1+1-2 > 8 > 成功
リラ
*h4防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 3[2,1]+3 > 6 > 失敗
[ リラ ] HP : 9 → 7
アルビー
*c9妨害 c4精確
アルビー
1d6 (1D6) > 4
ティット
*援護!
アルビー
2d6+3+1+6=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+6>=7) > 8[6,2]+3+1+6 > 18 > 成功
ストレナエ
*s4精確
ストレナエ
1d6  (1D6) > 1
ストレナエ
2d6+3+1+1+2+1=>18 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2+1>=18) > 6[2,4]+3+1+1+2+1 > 14 > 失敗
GM
*手番:ティット
ティット
*s3 鋭気
ティット
*d5 露払 白い布で包まれた物体
アルビー
*援護
ティット
2d6+3+2=>7  判定(+猟奇) (2D6+3+2>=7) > 7[2,5]+3+2 > 12 > 成功
ティット
1d6+2 +2+3 ダメージ (1D6+2) > 6[6]+2 > 8
ティット
1d6 (1D6) > 1
[ 白い布で包まれた物体 ] HP : 18 → 4
GM
*手番:リラ
[ リラ ] R1リ 衰弱 : 3 → 2
リラ
*dK回復
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 8[6,2]+3 > 11 > 成功
リラ
1d6+3+2 (1D6+3+2) > 5[5]+3+2 > 10
[ リラ ] HP : 7 → 17
[ リラ ] R1リ 衰弱 : 2 → 0
GM
*手札破棄
アルビー
*捨てなし
リラ
*c10捨て
ティット
*d9,dJ捨て
ストレナエ
*h7,sA捨て
GM
*ラウンド3
GM
*手番:アルビー
アルビー
*Jo奪取
アルビー
2d6+3+1=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1>=7) > 9[4,5]+3+1 > 13 > 成功
アルビー
*cJを奪取
GM
*手番:ストレナエ
GM
*sQ悪戯→アルビーに封印
[ アルビー ] R3:ス 封印 : 0 → 1
ストレナエ
1d6 悪戯判定 3以上で自分も受ける (1D6) > 3
[ ストレナエ ] R3:ス 封印 : 0 → 1
ストレナエ
*d7霞斬→ティット
ティット
*hK 遊撃
ティット
2d6+3=>7  判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 7[4,3]+3 > 10 > 成功
ティット
1d6 (1D6) > 4
ストレナエ
*sK(封印中)精確
ストレナエ
1d6  (1D6) > 1
ストレナエ
2d6+3+1+1-2-4+1=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2-4+1>=7) > 10[4,6]+3+1+1-2-4+1 > 10 > 成功
ストレナエ
1点+逆鱗+2看破+2 衣装-1
[ ティット ] HP : 15 → 11
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 10[6,4]+3+1+1+2 > 17 > 成功
リラ
*s5防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
ストレナエ
6点+看破+2
[ リラ ] HP : 17 → 13
ストレナエ
*d8霞斬→ティット
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 5[4,1]+3+1+1-2 > 8 > 成功
アルビー
*援護
[ ティット ] HP : 11 → 10
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 6[5,1]+3+1+1+2 > 13 > 成功
リラ
*c7防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 10[6,4]+3 > 13 > 成功
ストレナエ
6点
[ リラ ] HP : 13 → 11
GM
*手番:ティット
ティット
*c6 露払 白い布で包まれた物体
ティット
2d6+3=>7  判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 6[3,3]+3 > 9 > 成功
ティット
ティット
1d6+1d6+2+2  ダメージ (1D6+1D6+2+2) > 5[5]+6[6]+2+2 > 15
[ 白い布で包まれた物体 ] HP : 4 → 0
GM
*手番:リラ
リラ
*hA救済
リラ
3d6 (3D6) > 11[3,6,2] > 11
[ リラ ] HP : 11 → 21
リラ
*hQ回復
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
リラ
1d6+5 (1D6+5) > 5[5]+5 > 10
[ アルビー ] HP : 14 → 15
[ ティット ] HP : 10 → 18
[ アルビー ] R3:ス 封印 : 1 → 0
GM
*手札破棄
アルビー
*h6,s7,c8捨て
ストレナエ
*捨てません
リラ
*捨てなし
ティット
*s10捨て
GM
*ラウンド4
ストレナエ
*d4,s6,h7,s8,h8,s9,dA
アルビー
*s2,h2,c3,sJ.cJ
リラ
*d3,s4,d5,h9,cQ
ティット
*c2,d6,c9,d10,cK
GM
*手番:アルビー
アルビー
*パス
GM
*手番:ストレナエ
ストレナエ
*s6霞斬→ティット
ティット
*cK 遊撃
ティット
1d6 (1D6) > 6
ティット
2d6+3=>7  判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
[ ストレナエ ] HP : 17 → 12
ストレナエ
*d4精確
ストレナエ
1d6  (1D6) > 3
ストレナエ
2d6+3+1+1-2+3-6=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2+3-6>=7) > 11[6,5]+3+1+1-2+3-6 > 11 > 成功
[ ティット ] HP : 18 → 14
アルビー
*sJ妨害 s2精確
アルビー
1d6 (1D6) > 2
リラ
*援護~
アルビー
2d6+3+1+4=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+4>=7) > 7[6,1]+3+1+4 > 15 > 成功
アルビー
*器用でh2捨て
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>16 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=16) > 7[1,6]+3+1+1+2 > 14 > 失敗
ストレナエ
*h7霞斬→ティット
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 8[5,3]+3+1+1-2 > 11 > 成功
リラ
*d3防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[6,1]+3 > 10 > 成功
リラ
*h9愛毒
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[6,1]+3 > 10 > 成功
[ ストレナエ ] R4:ス 猛毒 : 0 → 3
アルビー
*cJ妨害 c3精確
ティット
*援護
アルビー
1d6 (1D6) > 5
アルビー
2d6+3+1+7=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+7>=7) > 3[2,1]+3+1+7 > 14 > 成功
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>14 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=14) > 2[1,1]+3+1+1+2 > 9 > 失敗
ストレナエ
*s8霞斬→ティット
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 6[2,4]+3+1+1-2 > 9 > 成功
リラ
*s4防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[4,3]+3 > 10 > 成功
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 5[3,2]+3+1+1+2 > 12 > 成功
リラ
*d5防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 9[4,5]+3 > 12 > 成功
[ リラ ] HP : 21 → 19
GM
[ ストレナエ ] HP : 12 → 10
GM
*手番:ティット
ティット
*c2 鋭気
ティット
*c9 通打 ストレナエ
アルビー
*援護
ティット
2d6+3+2=>7  判定(+猟奇) (2D6+3+2>=7) > 4[2,2]+3+2 > 9 > 成功
ティット
ティット
1d6+2+2+3+2  ダメージ (1D6+2+2+3+2) > 6[6]+2+2+3+2 > 15
[ ストレナエ ] HP : 10 → 0
ストレナエ
2d6+2-0+1+1 判決表(肉壁!+第二ボタン) (2D6+2-0+1+1) > 10[5,5]+2-0+1+1 > 14
[ ストレナエ ] HP : 0 → 10
[ ストレナエ ] 前科 : 0 → 1
GM
*手番:リラ
リラ
*cQ回復
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 8[3,5]+3 > 11 > 成功
リラ
1d6+5 (1D6+5) > 1[1]+5 > 6
[ リラ ] HP : 19 → 21
[ ティット ] HP : 14 → 19
[ ティット ] HP : 19 → 18
ストレナエ
赤い液体が飛び散り、ワイン瓶の破片があなたたちを襲う。
三月兎たち
三月兎たちが飛び回り、あなたたちにぶつかってくる。
アルビー
無数の銃の射線。
跳弾の角度。
味方の援護。
アルビー
全てを計算しつくされて、一人の手から大軍のように銃弾の雨あられが降り注ぐ。
アルビー
凪いでいる。
アルビー
為すべきことをしているだけ。
その視線は冷淡にまでに冴えて、ただ頭脳を回すために鋭く敵を観察する。
ティット
「よーし!雑魚どもはオイラに任せておけ!」
ティット
ティットが腕を振るうと周りのガラクタたちがガタゴトと賑やかな音を立てる。
アルビー
ぶつかってこようとする三月兎たちを、
ストレナエが振り回すワイン瓶の欠片を、
正確に撃ち抜き、仲間に届く前に散らしていく。
リラ
元の世界で、誰かが言っていた。
愛は祈りだ、と。好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい、のだと。
ティット
触れていないのにガラクタは自由に浮遊し動き回り、喧騒と共に発光、発火などが繰り返し起こる。
まるでおもちゃ箱をひっくり返したような大騒ぎ!!
リラ
私の祈りは、愛なのだろうか? わからない。
けれど、その祈りが皆を守る盾になるのなら、私は祈ろう。
アルビー
派手な攻撃はティットに。
撃ち漏らした敵からの守りはリラに任せて。
リラ
指と指を重ね合わせる。ティットがかっこいいこと言ってたなあ……
「じゃあ、後方は私が何とかします!」
ティット
「さーて!お立ち会い!!手前、ここに取り出したるは、甘く香る芳醇な葡萄酒!!」
ワインの瓶が空を飛び、敵へ目掛けてまっしぐら!
リラ
「だから、皆頑張って……!」
目の前で血を流す彼女を、そのまま……倒して!
ストレナエ
血とぶどう酒の匂いが周囲を包む。
アルビー
己の視点が宙に浮いているような気がする。
空に目があるように、戦局全体を俯瞰で見ている。
アルビー
精緻に組み上げられた蜘蛛の巣のような無数の銃撃で、盤上を支配するように立ちまわる。
ティット
ガッシャン!ガッシャン!
瓶は割れ、ガラス片が飛び交う。
血のような真っ赤な液体が舞い踊る。
アルビー
「……二人とも、好きに動いて!」
読み切ってみせるから。
ストレナエ
「あっははっ」
「ふふふ!」
女は笑う。
ティット
「へいへい、言われずとも!」
やりたいように、大盤振る舞い!
ストレナエ
満足そうに、楽しげに笑う!
アルビー
酔っていない。
この上なく冷静だ。
血の赤は、自分を酔わすには少々苦すぎるから。
アルビー
ただ、義務のように。
機構のように、それを紡ぐ。
ストレナエ
酔いの中にも、確かな正気。
ワイン瓶の破片は、あなたたちの喉元を狙い、次々と飛んでくる。
ティット
喉元を狙い飛んでくるガラスの破片は、ティットが指を回せばぐるりと軌道を変え、持ち主目掛けてまっしぐら!
ストレナエ
計算づくめ、ではなく、多数の裁判を経てきたであろう、経験と直感による、甘く冷ややかな死の刃。
ティット
気がつけば飛び回っていた三月兎も白い布で包まれた物体も女王の傍から消え失せて、自陣に女王陛下は独りきり!
リラ
破片を弾いていく。不思議だ、疵を使えば痛みなんてない! 無痛の掠り傷も、祈ればほら。修復していく。
アルビー
迷う資格は、放棄した。
楽しむ資格は、そもそも持ち合わせていない。
だから、的確に『悪党』の喉元を狙う。
ストレナエ
一人になっても女王は踊り続ける。
楽しげに。それが『普通』であるように。
ストレナエ
むしろ――一人になってから、その攻撃は勢いを増す。
ティット
「ははっ、果敢な麦藁の冠の女神様。ひとりの方が気楽かい?」
ストレナエ
アルコールがようやく身体に回ってきたと言わんばかりの慣れた動き。
ストレナエ
「ええ、ええ」
「我々はどうしたって、結局は一人の救世主」
「余計なものがないほうが、動きやすい!」
アルビー
「じゃあ、どうして」
アルビー
「君は今、こんなに追い詰められている?」
三人のコンビネーションで。
ストレナエ
「さあ、どうしてでしょう?」
「ふふふ」
「こんなことってはじめて!」
アルビー
「君の愛はまやかしだ」
ストレナエ
「ああ、楽しくてたまりません」
「もっと、もっと!追い詰められてみましょう」
ティット
「さーて、それじゃあサービスだ。極上の酒をもう一杯!いやいや、一杯といわず好きなだけ浴びてくれ」
舞台の上に葡萄の酒が、瓶が、飛び交う。
リラ
……恐ろしい。ひらりひらりと目の前で楽しげに踊る彼女が。
ティット
宴もたけなわ。そろそろお開きでよろしくて?
リラ
「……狂ってる」
ように見えるだけ、はたまた正気なのかはリラには判別できないことだった。
アルビー
思えば、彼女も被害者なのだろう。
堕落の国に落ちていなければ、こんな非道を働いたかもわからない。
しかし、そんなことは酌量の理由にならない。
大事なのは、いま目の前にいる敵は彼女だということだけ。
アルビー
敵を撃ち抜くこと。
それ以外考えるな。
震えを呼び起こす自責に身を委ねるのは、一人になってからでいい。
ティット
「さーて、女王陛下は赤い葡萄の酒をご所望だ。遠慮はご無用!思うがまま渇きを潤し、酔いに身を任せてお行きやれ!!」
頭上にワインの瓶が、その中の薫り高い赤い液体が大量に集まっていく。
くるりと指を振れば、それらは女王目掛けて真っ逆さま!
そろそろ宴もお開きかな?
ストレナエ
血まみれワインまみれの女王は、狂ったように笑う。
宴の終わりは、もうすぐ。
GM
*手札破棄
アルビー
*捨てなし
ストレナエ
*s9以外捨てる
リラ
*捨てなし
ティット
*d6捨て
GM
*ラウンド5
ストレナエ
*d2,h4,c5,d9,s9,dQ,dK
アルビー
*h3,h5,c8,hJ,sA
ティット
*s3,d10,h10,c10,dJ
リラ
*d4,c4,s6,d5,cQ
GM
*手番:アルビー
アルビー
*パス
GM
*手番:ストレナエ
ストレナエ
*水パイプ使用
[ ストレナエ ] 水パイプ : 1 → 0
[ ストレナエ ] R4:ス 猛毒 : 3 → 0
ストレナエ
*dQ悪戯→衰弱 ティット
[ ティット ] R5 ス 衰弱 : 0 → 1
ストレナエ
1d6 悪戯判定 3以上で自分も受ける (1D6) > 3
[ ストレナエ ] R5:ス 衰弱 : 0 → 1
ストレナエ
*dK奪取→リラ
アルビー
*hJ妨害
リラ
*援護
アルビー
2d6+3+1+2=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+2>=7) > 5[2,3]+3+1+2 > 11 > 成功
アルビー
*器用でsA捨て
ストレナエ
2d6+3+1+1=>12 判定(+才覚) (2D6+3+1+1>=12) > 7[6,1]+3+1+1 > 12 > 成功
ストレナエ
*cQを奪取
ストレナエ
*d9霞斬→ティット
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 12[6,6]+3+1+1-2 > 15 > 成功
リラ
*d4防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 12[6,6]+3 > 15 > 成功
リラ
1d6  (1D6) > 3
アルビー
*c8妨害 h3精確
ティット
*援護!
アルビー
1d6 (1D6) > 3
アルビー
2d6+3+1+5=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+5>=7) > 9[6,3]+3+1+5 > 18 > 成功
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>18 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=18) > 9[4,5]+3+1+1+2 > 16 > 失敗
アルビー
*h5間隙
ストレナエ
3+3+2+1+2-1
[ ストレナエ ] HP : 10 → 0
ストレナエ
2d6+2-1+1+1 判決表(肉壁!+第二ボタン) (2D6+2-1+1+1) > 8[4,4]+2-1+1+1 > 11
ストレナエ
*免罪符使用
[ ストレナエ ] HP : 0 → 10
[ ストレナエ ] 前科 : 1 → 2
ストレナエ
*s9霞斬→ティット
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 3[2,1]+3+1+1-2 > 6 > 失敗
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 5[1,4]+3+1+1+2 > 12 > 成功
リラ
*c4防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 9[3,6]+3 > 12 > 成功
[ リラ ] HP : 21 → 17
GM
*手番:ティット
ティット
*s3 鋭気
ティット
*d10 通打 ストレナエ
アルビー
*援護
ティット
2d6+3+2=>7  判定(+猟奇) (2D6+3+2>=7) > 2[1,1]+3+2 > 7 > 成功
ティット
*逆転します!
[ ティット ] レーゾン・デートル : 1 → -1
[ ティット ] レーゾン・デートル : -1 → 0
ティット
(1d6+2)+2+2+3  ダメージ ((1D6+2)+2+2+3) > (4[4]+2)+2+2+3 > 13
[ ストレナエ ] HP : 10 → 0
ストレナエ
2d6+2-2+1+1 判決表(肉壁!+第二ボタン) (2D6+2-2+1+1) > 10[4,6]+2-2+1+1 > 12
[ ストレナエ ] HP : 0 → 10
[ ストレナエ ] 前科 : 2 → 3
GM
*手番:リラ
リラ
*何もできないのでパス
GM
*手札破棄
アルビー
*捨てなし
リラ
*捨てなし
ティット
*h10,dJ捨て
ストレナエ
*d2,h4捨て
GM
*ラウンド6
ストレナエ
*c3,h7,s5,c5,s10,cQ,cA
アルビー
*c2,s7,h6,c6,s8
リラ
*s2,d3,c7,s6,d5
ストレナエ
ティット
*d6,c10,cJ,sJ,sK
GM
*手番:アルビー
アルビー
*パス
GM
*手番:ストレナエ
[ ストレナエ ] R5:ス 衰弱 : 1 → 0
[ ティット ] R5 ス 衰弱 : 1 → 0
ストレナエ
*cQ悪戯→リラに衰弱
ストレナエ
1d6 悪戯判定 3以上で自分も受ける (1D6) > 6
[ ストレナエ ] R5:ス 衰弱 : 0 → 1
[ リラ ] R6ス 衰弱 : 0 → 1
ストレナエ
*h7霞斬→リラ
ティット
*sK 遊撃
ティット
2d6+3=>7  判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
ティット
1d6 (1D6) > 4
[ ストレナエ ] HP : 10 → 4
ストレナエ
*c3精確
ストレナエ
1d6  (1D6) > 2
ストレナエ
2d6+3+1+1-2-4+2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2-4+2>=7) > 8[5,3]+3+1+1-2-4+2 > 9 > 成功
リラ
*s2防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[6,1]+3 > 10 > 成功
アルビー
*s8妨害 c2精確
リラ
*援護
アルビー
1d6 (1D6) > 3
アルビー
2d6+3+1+5=>7 判定(+才覚 +多彩な凶器) (2D6+3+1+5>=7) > 3[2,1]+3+1+5 > 12 > 成功
アルビー
*器用でh6,c6捨て
ストレナエ
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>14 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=14) > 4[1,3]+3+1+1+2 > 11 > 失敗
アルビー
*s7間隙
ティット
*援護!
[ ストレナエ ] HP : 4 → 0
ストレナエ
2d6+2-3+1+1 判決表(肉壁!+第二ボタン) (2D6+2-3+1+1) > 9[3,6]+2-3+1+1 > 10
[ ストレナエ ] HP : 0 → 1
[ ストレナエ ] 前科 : 3 → 4
[ ストレナエ ] 免罪符 : 1 → 0
ストレナエ
*s5霞斬→リラ
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 8[4,4]+3+1+1-2 > 11 > 成功
リラ
*d3防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 4[3,1]+3 > 7 > 成功
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 9[4,5]+3+1+1+2 > 16 > 成功
リラ
*c7防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 5[1,4]+3 > 8 > 成功
[ リラ ] HP : 17 → 15
GM
※衰弱忘れていたので遡り処理
GM
霞1の1→5点を4軽減→HP-1
[ リラ ] HP : 15 → 14
GM
霞2の1→軽減で0
GM
霞2の2→6+2→4軽減なので4
[ リラ ] HP : 14 → 12
ストレナエ
*c5霞斬→リラ
ストレナエ
2d6+3+1+1-2=>7 判定(+才覚)霞1 (2D6+3+1+1-2>=7) > 7[3,4]+3+1+1-2 > 10 > 成功
リラ
*s6防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 7[6,1]+3 > 10 > 成功
ストレナエ
2d6+3+1+1+2=>7 判定(+才覚)霞2 (2D6+3+1+1+2>=7) > 6[3,3]+3+1+1+2 > 13 > 成功
リラ
*d5防壁
リラ
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 8[4,4]+3 > 11 > 成功
[ リラ ] HP : 12 → 8
GM
*手番:ティット
ティット
*c10 通打 ストレナエ
ティット
2d6+3=>7  判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 6[5,1]+3 > 9 > 成功
ティット
1d6+2 +2 ダメージ (1D6+2) > 6[6]+2 > 8
[ ストレナエ ] HP : 1 → 0
ストレナエ
2d6+2-4+1+1 判決表(肉壁!+第二ボタン) (2D6+2-4+1+1) > 8[5,3]+2-4+1+1 > 8
ストレナエ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
ストレナエ
2d6+3+1=>7 判定(+才覚) (2D6+3+1>=7) > 10[6,4]+3+1 > 14 > 成功
[ ストレナエ ] HP : 0 → 1
[ ストレナエ ] 前科 : 4 → 5
GM
*手番:リラ
リラ
*なし
GM
*手札破棄
アルビー
*捨てなし
リラ
*捨てなし
ストレナエ
*sA捨て
ティット
*d6,cJ,sJ 捨て
GM
*ラウンド7
GM
アルビー
*h2,h9,d8,c9,hA
ストレナエ
*s4,d7,s10,sQ,hQ,hK,dA
リラ
*c2,c4,h7,c5,dk
ティット
*c3,h8,s9,cJ,cK
GM
*手番:アルビー
アルビー
*パス!
GM
*手番:ストレナエ
[ ストレナエ ] R5:ス 衰弱 : 1 → 0
[ リラ ] R6ス 衰弱 : 1 → 0
ストレナエ
*hQ悪戯→リラに衰弱
ストレナエ
1d6 悪戯判定 3以上で自分も受ける (1D6) > 2
[ リラ ] R7ス 衰弱 : 0 → 1
ストレナエ
*d7霞斬→リラ
ティット
*cK 遊撃
ティット
2d6+3=>7  判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 8[6,2]+3 > 11 > 成功
ティット
1d6 (1D6) > 5
[ ストレナエ ] HP : 1 → 0
ストレナエ
2d6+2-5+1+1 判決表(肉壁!+第二ボタン) (2D6+2-5+1+1) > 3[1,2]+2-5+1+1 > 2
ストレナエ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
ストレナエ
2d6+1+1=>7 判定(+愛) (2D6+1+1>=7) > 11[5,6]+1+1 > 13 > 成功
ストレナエ
昏倒します。
GM
~裁判終了~
ストレナエ
酔いに踊り続ける女はまだ止まらない。
ストレナエ
破片がキラキラと花吹雪のように舞い、雹のようにあなたたちへとふりそそぐ。
アルビー
味方に迫る棘のような破片のうち、大きいものを瞬時に見分けて散らしていく。
アルビー
酔い踊る彼女。血の気を纏った花吹雪と複数の跳弾の目くらましで隠して、死角から狙いすました一挺で、脚を撃ち抜いた。
アルビー
もう彼女を庇う兎はいない。
アルビー
止めを刺すためではなく、動きを確実に止めるための一撃。
ストレナエ
足を捉えられ、転がる。
転んだ拍子に、またワイン瓶を強く叩きつけ、破片が飛び散る。
ストレナエ
己の首を狙う、もうひとりの『麦藁の王(ティット)』の喉元へ!
リラ
その瞬間、前へと躍り出る。大丈夫。
リラ
「言ったよね、結構運動は得意だって……!」
リラ
前に飛び出したリラの体を守るように、疵の力である加護の光が辺りを包む。
リラ
破片を受け止めて、叫ぶ。
「だからティット、お願い……!」
止めを!
ティット
「よし来た!皆さまご協力ありがとう!それでは、僭越ながらワタクシめが、舞台の幕を下ろす役目を引き受けましょう」
きひひ、と笑って請け負って、悪魔はおどけて礼を取った。
ティット
ティットのまわりで視えざる小鬼たちが駆け回るように姦しい騒音は鳴り止まない。
ティット
麦藁の冠を戴いた道化の王さま、くるりと指を回す!
霞のようにキラキラ輝く彼女自身が放った破片は、詐術にかかったように向きを変え、使命を背負いひとり踊り狂う女王陛下目がけてひとっ飛び。
ああ、なんて無情。女王陛下の忠実な僕たちが、彼女を切り裂く凶器へ変貌するなんて…………。
ティット
「それでは、おやすみなさいまし!勤勉な女王様もそろそろお休みの刻限だ!」
ストレナエ
決定的な一撃が堕ちた女王の方へ。
ストレナエ
鮮血に塗れた女王は、最後に笑い。
ストレナエ
そのまま地に伏せた。
アルビー
彼女が地に伏せたのを確認して、近づいていく。
銃はまだ消えていない。
アルビー
高みで戦局をコントロールしていたせいで、厭になるほど傷ひとつない身体で、彼女に向き合う。
アルビー
ティットやリラを押しのけるようにして前に出て、相対した。
アルビー
「終わりみたいだね、女王様」
ストレナエ
「…………」
ストレナエ
「ええ…………そうみたい…………」
ストレナエ
「ふふふ…………あなたたちの勝ちですね」
笑っている。
アルビー
「教えてくれないかな」
アルビー
「この村は何で、君はどうしてこんなことをしているのか」
アルビー
「君の口から聞きたいんだ」
アルビー
その口調は淡々としていて、穏当だ。
アルビー
しかし、たくさんの銃口を向けた状態で発されるその問いは、必然的に暴力による恫喝のようだった。
ストレナエ
「ふふ…………私とこの村については、見た通りですよ」
ストレナエ
「私は公爵家のものである、この村を自分の村にして、三月兎たちと楽しく暮らし、救世主を招いては狂宴へと促した」
ストレナエ
「あなたたちが『それ以上の何か』を疑っているとしたら…………」
「それはきっと、勘違いをしています」
「ふふふ」
ストレナエ
「私はただ、堕落の国でも、酔いが覚めるまで、楽しく、楽しく、生きていたかっただけ」
ストレナエ
「それが、今日、たまたま終わるだけ。」
アルビー
「そう」
アルビー
「…………満足だった?」
ストレナエ
「ええ…………とても」
ストレナエ
「心残りはありません」
アルビー
「何か」
アルビー
「他に、言い残したことはない?」
ストレナエ
「ふふ。なら…………元の世界でやっていたように……巫女としての導きをひとつ。」
ストレナエ
「あなたたちの道に、多くの犠牲と享楽がありますように。」
アルビー
「………………」
アルビー
彼女の言葉を聞いて。
アルビー
一瞬だけ、目を瞑って。
アルビー
後ろにいた少女に向けて、静かに告げる。
「リラちゃん」
アルビー
「目を閉じていてね」
リラ
「え…………」
終始黙っていたリラは、アルビーの言葉に放心する。
アルビー
シュン……と浮遊していた銃が消えて。
残ったのは手元の一挺だけ。
リラ
リラはうつむいて。
リラ
「…………」
これから何が起きるのかわかっているくせに、わからないふりをして、ただ言われるままに目を瞑った。
ティット
「おーおー。いいこのリラちゃん、保護者の言いつけに忠実だこと」
ティット
「耳も塞いどいた方がいいぜ?目を瞑っただけじゃ、銃声は防げねーからな」
ティット
その後の惨状を見せずに済ませられるか、それは知らんがね?
ティット
これってどうなの?アフターフォロー行き届いてるのかしらん?
ティット
ま、どう転ぼうが、悪魔の知ったことではない。
アルビー
無抵抗の身体。
アルビー
その心臓に正確に狙いを定めて、引き金を絞る。
アルビー
ぱん、と爆ぜた身体は、熟した果実のようで、
アルビー
流れる赤い血は、葡萄酒のようだった。
ストレナエ
救世主はもう動かない。
ストレナエ
ただ、甘く香るその匂いが。
三月兎たち
うさぎたちを呼び寄せる。
三月兎たち
三月兎たちは、弔うように、女王の周りに群がり。
三月兎たち
その体を。
三月兎たち
貪り、食べ散らかす。
三月兎たち
酩酊の力は失われているため、食べたうさぎが亡者になることはない。
三月兎たち
ただ。
三月兎たち
「たのしかったねえ」「アリスおいしいね」「ほねはぼくの!」
三月兎たち
まるで日常みたいな食事の風景は。
『麦藁の女王』によって根付いたものではなく、もともとあったかのように。
三月兎たち
あなたたちの前で行われた。
ストレナエ
そうして、救世主の身体は堕落の国からなくなって。
ストレナエ
裁判は終わり。
ストレナエ
あなたたちは犠牲を飲み込み、自由となった。
GM
アルビー
長く息を吐く。
アルビー
ただ、その惨状を見つめていた。
アルビー
そして、ふと気づく。
アルビー
自分は彼女の敵だったけれど。
アルビー
彼女を嫌ったことも、憎んだことも、一瞬たりともなくて。
アルビー
それは、これまでの己の人生においても、いつもそうだったなと。
アルビー
彼女は三月兎を虐げ、数多の救世主を殺した。
それは事実だろう。
アルビー
だが、自分も殺した。
誰かを守るため。
自分が生きるため。
相手は悪党だからと、意味をつけて。
アルビー
――世界がこうして廻っているなら、意味って、なんだ?
アルビー
――この世がそうであるなら、己が守るべきとしている『人々の幸い』などというものは、本当にあるのか?
アルビー
そんな疑念に蓋をして、自分はこれからも、この堕落の国を生きていくのだろうと思う。
アルビー
『善き』救世主として、誰かを殺めながら。
アルビー
自分には、それができると知っている。
そうし続けろと、自らに命じている。
アルビー
ただ、この村のことは、何度も夢に見るだろう。
アルビー
……人を殺める感触と共に、最も深く焼き付いたのは、痛みや苦しみではなく。
アルビー
命を喪った『彼女』や『彼女』の、安らかで満足そうな顔だった。
ティット
止めもせず、積極的に働きかけることもなく、悪魔は腕を組んで、舞台を静観する。
ティット
酔いに身を任せた麦藁の女王様。
面白いキャラクターだと思う。その造形は嫌いではなかった。
けれどもう、脱落した駒なので、今となってはさほど興味はない。
ティット
だがまあ、彼女は満足して逝けただろうさ。
自分の任じた役割を全うし、自ら受け入れた摂理に組み込まれ、本望だっただろう。
女王陛下はいっぱしのプレイヤーだった。
ティット
さて。
ティット
終わった演目よりも大切なのは、この先へと続く舞台のキャストだろう。
ティット
庇護者の命に従い自ら目隠しをしたお嬢さん。
けれど、目隠しは、事の起こるよりもっと早く、起きる出来事を感知するより先に巻かなければ意味がないのではないかい?
ティット
気休め程度の目隠しを解いたあと、その瞳に星の輝きが残っているのか、残っているとして、果たしていつまでそのままでいられるのか、その様子を眺めておくのもご一興。
ティット
慈しみ深い正義の執行者――救世主さまの世直しと旅へ同行するのが、この先続く演目の要だ。
ティット
――おそらくね?
ティット
オイラの役割は狂言廻し。王子様とお姫様の絆を鞣し、時にトラブルを持ち込む賑やかし兼潤滑油。
ティット
この先、オイラが彼らの善き隣人であるのか、あるいは約束されし道化となるか。
ティット
それは、観客席におわす皆さま方の希望次第。励みますゆえ、皆さま方、見ていてやってくださいまし。
ティット
舞台には脚本が、ゲームにはルールがある。
ティット
狂言廻しの役割は、いつだって主役の魅力を引き出す引き立て役!
ティット
けれど、ルールには必ず抜け道がある。
ティット
気を抜いていると、筋書を書き換えて盤上をはみ出し、どこに連れて行くか分からないぜ?
ティット
はじめての裁判が終わり、舞台に残った役者たちを眺める。
ティット
三月兎を虐げ数多の救世主を殺した悪い救世主を成敗した正義の執行者へと悪魔は語り掛ける。
ティット
「ごくろうさん」
ティット
「以前の問いかけを今一度問おうか?」
ティット
「麦藁の冠の女王様はアンタの倫理観と照らし合わせ、倒すべき悪党かい?」
アルビー
「……言ったでしょ?」
アルビー
「撤回なんて、しないって」
アルビー
「だから、あのときと同じだよ」
問われるたび、それに答えを返すたびに、心が血を流す。
アルビー
その痛みが、心地いい。
アルビー
引っ掻き回す道化の言葉は、主役を物語の筋道に固定する。
ティット
「上等上等。そう来なくっちゃ!」
ティット
「ぶれていないようで安心したぜ」
アルビー
道を逸れられない主役の一人は、盤上を踊りまわる道化の『自由さ』を、羨ましいなと思った。
ティット
「……なら、アンタの甘言に従って、素直に目を瞑っている愚かで愛らしいお姫様に魔法をかけるのはアンタの仕事。それとも、お姫様を裁判の場に連れてきておいて、最後の場面だけ目を閉じていれば問題ないって、それが王子様のお考え?」
ティット
オイラは優秀な進行役。
与えられた仕事はきっちりこなすのさ。
さあ、だからオマエもきっちりと、与えられた仕事をこなしなさい?
ティット
「オイラはそれでもいいけどね?さあ、どうするの。王子様?」
リラ
……アルビーとティットのやり取りの傍ら、リラはただその光景から目がそらせない。
リラ
ひときわ鈍い銃声が鳴って。そうして……今、目の前で繰り広げられる惨劇。
どうしようもないほど残虐なのに、どこかかぐわしい、芳醇な香りがこの現実をどこか遠くに追いやっている。
リラ
呆然としながら、かつてアリスと呼んだその遺体を貪る■■を見遣る。
リラ
めいっぱい大地を跳ね回る姿。かくれんぼしながら、楽しそうにころころ笑う顔。誰も傷つけえない、小さな手。
リラ
その彼らが、『救世主』と慕った『悪い』彼女を、無邪気に頬張っている。
リラ
「…………」
リラ
「あ……」
リラ
思い出す。
リラ
――あのこたちが私をどう思っていても、私はあのこたちの女王様になっているんですから。

――この麦藁の冠が仮初のものだとしても、私はあのこたちと共にあります。
リラ
彼女は、こうなることを……
リラ
…………
リラ
知らなかったはずがない! 
リラ
――ええ。あなたの思う、『愛』とは形が違うようですけれど。
リラ
愛。
これが、愛?
リラ
訪れる救世主を殺し、三月兎を傷つけ、そして最終的には自分も犠牲になるかもしれないことを、飲み込むことが?
リラ
そんなの、そんなの…………
……
リラ
おそらくすべてをわかっていたであろう彼女は最後の最後まで笑っていた。
リラ
なんで? どうして。
リラ
嫌いにさせてよ。心の底から、あなたのことを嫌いだと言わせて。ちゃんと憎ませて。
リラ
おかしいと言わせて!
リラ
だって、そうじゃないと、私は……
リラ
立っていられない。
リラ
ぐちゃぐちゃになる頭の中で思い出す。
お父さん、お母さん。どうして死んじゃったんだっけ。
リラ
正しくなかったからだ。
リラ
正しくないから死んだのだと、皆、言っていた。
リラ
――あのストレナエは、三月兎たちを利用して、傷つけて、殺した、『悪い』救世主だ。
リラ
……目の前の彼女もそう。だって、救世主を殺し、三月兎を傷つけた彼女は『正しく』ない。
だから今、こうなってる。
リラ

じゃあ、彼女を殺した私たちは?

リラ
…………
リラ
――はい。私、頑張ります。だから心配しなくて大丈夫。
リラ
(そうだよ、リラ。頑張るって言ったじゃない。自分で)
リラ
――でも、いくら彼女が悪人とはいえ、君に戦いを背負わせるのは酷だ。
リラ
そうやって、いつだって慮ってくれた彼に。
リラ
いつだって飄々として、『自分』でいられるティットをかっこいいと思ったのだって本当でしょ!?
リラ
だから、やらなきゃ。
大丈夫。
リラ
だって私、この世界にきて『救世主』になったんでしょう。
リラ
痛みを鈍らせる『とくべつ』な力を持ったんでしょう。
リラ
もう、
リラ
ただのリラ
リラ
じゃない。
リラ
だから………………
リラ
私は大丈夫。
リラ
これを見ても、『救世主』として立っていられる。
リラ
皆がいるから、きっと大丈夫。
リラ
苦しくなんてない、怖くなんてない。そうでしょう? リラ。
アルビー
「リラちゃん」
傍に寄る。
銃はしまっている。
アルビー
「お疲れ様。おかげで助かったよ」
アルビー
「リラちゃんの力、すごいね。傷がみるみるうちに消えてく」
アルビー
「こうして三人とも無事でいられたの、リラちゃんが守ってくれたおかげだよ」
アルビー
「ありがとう」
アルビー
「辛かったでしょう?」
アルビー
「よく頑張ったね」
そう言って、労うように優しく頭を撫でる。
リラ
「あ…………」
その優しい声音に、優しい温度に。
冷えついた心が溶けて、解けていく。
リラ
「わたし、ちゃんと皆さんのお役に立てましたか……?」
リラ
彼のその大きな体に縋りたくなる。
リラ
私、今、ちゃんといつも通りにできてる?
アルビー
「ああ、すごく助かったよ」
アルビー
「やっぱり、強い子だね。リラちゃんは」
アルビー
「怖くても立ち向かう力と、真っすぐで綺麗な心を持ってる」
アルビー
「……でも、やっぱり無理はしないで」
アルビー
「考えすぎると、苦しくなるでしょう?」
アルビー
「辛いことは掘り下げて考えない方がいい」
それが、心を守るためだ。
アルビー
「迷ったら」
アルビー
「――俺のことを、信じてくれていいから」
リラ
「……『強い』ってそんなことないです。今だって、アルビーさんもティットも大丈夫なのに、私だけこんな感じになっちゃって…………」
声が震える。そう、だって、怖くて仕方がない。
リラ
「……でも、そう言ってくれて、嬉しいです」
リラ
ほわほわする。……あなたが『強い』と言ってくれるなら、本当にそうだと思えてしまう。
リラ
「考えすぎると、苦しい…………」
リラ
しょっちゅうあの子が言ってったっけ。「考えないなら生きてることに意味ある?」とか「何も考えてないやつは軽蔑する」とか、なんだか、そういうことを。
リラ
軽蔑されたくなかった。
リラ
でも、本当は…………
リラ
考えすぎると、苦しいよ。
リラ
「アルビーさんは、私が迷っても、間違っても、捨てないでいてくれますか…………?」
アルビー
「もちろん。捨てたりなんかしないよ」
アルビー
「リラちゃんが迷ってたら手を引くし、間違ってたら『それは違うよ』って教えてあげる」
リラ
「……そっか」
リラ
「……うれしいなあ……」
リラ
「じゃあ、私は……」
リラ
「その分、アルビーさんを守りますから」
リラ
無茶だってできる。だって、もう本当に痛くない!
リラ
「アルビーさんも、困ったときは頼ってくださいね」
アルビー
「はは、ありがたいなあ……」
アルビー
「今日もたくさん頼っちゃったし、これからもよろしくね」
アルビー
そう言って、二人のやり取りを静観していた道化の方を顧みる。
アルビー
「……ティット」
アルビー
「君は、これからどうするの?」
ティット
「んー?」
ティット
「さあ?風の吹くまま気の向くままさ!……と、言いたいところだがね」
ティット
「こーんな荒野の只中で、何のあてもなく指針もなく一人になるのは馬鹿のやることだろ」
ティット
「とりあえずは、アンタらと一緒に行動するつもりだけど?」
アルビー
「そっか」
安堵したように笑う。
あるいは、何か他の感情を沈殿させながら。
アルビー
「じゃあ、三人一緒だね」
アルビー
「嬉しいな」
ティット
「…………喜んでいただけて恐悦至極」
ティット
…………この先の道行きが長いのか短いのかは知らないが、現段階で辿れるルートはこの道限り。
ティット
この先に何が待つのか、それは次回作をご期待ください。
GM
GM
救世主が倒れ、館の外に出たあなたたち。
GM
とはいえ、村の出入り口は岩で塞がれているため、これをなんとかしなければならないのですが…………
GM
あなたたちが出た直後に、村に轟音が響き渡り、出入り口を塞いでいた岩に大穴が空きます。
GM
そうして、外から、凄まじいオーラの人物――格上の救世主とその部下(末裔)たちが、村へと足を踏み入れてきました。
GM
格上の救世主は、あなたたちを発見次第、すぐに近寄ります。
 
「これはどうも、見知らぬアリス」
 
「『麦藁の女王』を倒してくれましたか」
 
救世主はあなたたちに感謝し、言葉を続けます。
 
「この村は公爵家にとってとても重要な、兵器を作る村だったんですよ。それが、『麦藁の村』という狂気の温床になってしまって……」
 
「いやあ。あなたたちのおかげで助かりました」
 
「この村はもう大丈夫です。無駄な犠牲はこれ以上出ません」
「ありがとうございます」
アルビー
自然に二人を制して、前に出る。
社交儀礼的な笑みを作って。
アルビー
「はい、俺たちはここに辿り着いた救世主で……」
かくかくしかじか。いきさつを説明する。
慣れた様子で。
アルビー
「貴方たちは、公爵家の?」
 
「ええ。雇われの救世主をさせてもらっています」
 
「ストレナエもそうでしたが、やつはこの村を乗っ取り、三月兎たちを支配してしまった」
 
「早急に対応したかったのですが、このあたりに見えない救世主が出るなどの話があり、ストレナエを倒せる救世主が向かえなかったのです」
 
「それで、この度私が駆り出されたわけですが……」
「事はもう済んでいたようだ」
 
「…………そういえば、あなたたちは次に向かう場所等はお決まりで?」
アルビー
「…………いえ」
 
「で、あれば、第十三時計街に行くというのはどうでしょう?」
 
「ここから近いですし、治安も良くなった街です。もちろん、我々が送っていきますよ」
アルビー
二人を振り返る。
アルビー
「どうかな?」
ティット
「進路は班長の判断におまかせかな!」
アルビー
「俺はお言葉に甘えてもいいと思うんだけど」
リラ
「ティットと同じくです」
ティット
「じゃあ、決定だな」
 
「では、向かいましょうか」
ティット
「ああ。………アンタはこのまま手ぶらでオイラ達を送って大丈夫なワケ?」
ティット
「ポーンの回収に来たんじゃないの?ナイトさん?」
 
「そのあたりは部下にやらせますよ」
「私は現場仕事をするような役ではないので」
ティット
「そっか、そっか!もうおっかないクイーンはいないからな。安心安全簡単なお仕事ってワケだ!」
GM
末裔の部下たちが、村を捜査したり、なにかの回収を行っています。
GM
捜査されている村のなかから、あなたたちに向かってくる影がひとつ。
 
最初に出会った三月兎の末裔が、あなたたちに駆け寄ってきます。
 
「わー!アリスたちだ!」
 
「ねえ、ねえ、アリス」
 
「たのしかった?」
 
三月兎は無邪気に笑います。
 
「ねえ、アリス」
「ぼくたちのアリスはしんじゃったけど、きみたちはいつしんじゃうの?」
GM
救世主たちが答える前に。
こら、お前はこっちだ、と声がして。
無礼な三月兎の末裔を、格上の救世主の部下が引っ剥がして、村の中へと戻っていきます。
GM
あなたたちが誰かの犠牲となるのは、いつの日でしょうか。
アルビー
「………………」
ティット
「なあ、班長?」
ティット
「麗しのクイーンは悪党なんだろう?」
アルビー
「……そうだよ?」
ただの、見知った構図だ。
ティット
「うんうん、よく出来ました。花丸をあげましょう」
指先がくるりと空をなぞる。
ティット
「じゃあ、この黒のナイトはアンタの倫理観と照らし合わせ、どういう存在?」
アルビー
「善人なんじゃないかな?」
アルビー
「無駄な犠牲は出さないらしいし」
アルビー
「……親切にも、次の街に連れて行ってくれるらしいし?」
わざとおどけたように言う。
ティット
「あっはっは!いいねぇ~、あっぱれ!もう一つ花丸をあげましょう!」
ティット
「それじゃ、最後の問いかけだ!」
ティット
「アンタはアンタ自身を、そしてオイラとリラをどう規定する?」
ティット
「この、堕落の国で生きる上で」
アルビー
「リラちゃんは善い子だよ」
アルビー
「俺は……そうだね、善人でありたいと思っている」
アルビー
「ティットは…………」
アルビー
「あんまり、」
アルビー
「そういう型に、嵌ってほしくないかな」
ティット
「それはそれは………」
ティット
「お気遣いありがとうとオイラは礼を言うべきなのかな?」
ティット
「リラのことはいの一番に善い子だよなんて断言した癖にまあ……」
ティット
「しかし、それもまた面白い。オイラは面白いものの肩を持とう。アンタのその規定がどこまで行っても変わらぬものか、何れ変質していくか、見届けるのもご一興」
ティット
くるっと振り返って、リラの腕を取り、隣に身を滑らすと腕を組んだ。
「リラ~、班長がアンタのこと『いいこ』だって~。良かったね~?」
アルビーとのやりとりが聞こえていたか定かではないリラに向かって、にぱっと笑いかけた。
リラ
「……え?」
ぼんやりと三月兎の姿を追っていたらしいリラは、ティットのその動作でようやく我に返る。
アルビー
面白いと言われて、心が浮き立つようにほころぶ。
血を流しながらも、間違いなく喜んでいる自分がいる。
リラ
「ああ…………」
いいこ。昔は別に嬉しくもなんともなかった呼称。でも、彼が言うならどうだろうか。
アルビー
……自分が自分でいる限り、いつかこの悪魔とは道分かたれるだろう。
相容れない在り方で生きているから。
リラ
「…………うん」
肯定でも否定でもない返事。
リラ
「あはは……、じゃあティットはさ、私のことどう思ってるの?」
さらに腕を絡めるようにして、問う。
ティット
「んー?」
ティット
絡めた腕。人肌の温もり。
リラのしたいようにさせておく。
ティット
「厚かましい無礼ながきんちょ?」
リラ
「!」
目を見開く。
リラ
「あははっ!」
リラ
「……そうだね!」
リラ
空いた方の手で、傍にいるアルビーの腕を捕まえる。
リラ
「私はいいこでありながら、厚かましい無礼ながきんちょなので……」
「こうやって勝手に腕を組んだりもしちゃいます!」
リラ
「二人とも、それでもいいですか?」
アルビー
「あははっ」
捕まった腕を好きにさせ、むしろ自分に引き寄せるようにする。
アルビー
触れ合う温度があたたかい。
アルビー
「いいね。このまま次の街まで行こうか?」
ティット
「あはは!いいねいいね!セルフイメージは大事だぜ!設定した自己像に倣って人は自分のカタチを定めるもんさ」
ティット
「さーて、では仲良く腕を組んでいざ行かん!次の街も愉快な場所だといいね!」
アルビー
今は、この時は。
三人で、共に歩めることを喜ぼう。
リラ
腕から伝わる体温はあたたかくて。
リラ
これが終わらなければいいのに、なんて思う。
noname
「アルビーさんもティットも大丈夫なのに、」
アルビー
(大丈夫に、)
アルビー
(見えてたなら、よかった)
リラ
大丈夫だよ。だって一人じゃない。
……二人とも、傍にいてくれるみたいだもんね。
アルビー
あの三月兎たちは、ストレナエを倒したところで、公爵家に兵器として利用される。
自分はそれをわかった上で彼らに頭を下げ、こうして束の間の安寧を享受している。
アルビー
わかっている。
慣れている。
だから、今さらこの程度で、迷ったりしない。
ティット
この先、どんな番狂わせが起こるのか。
ティット
訪れるのは幸運か不幸か。
ティット
最後に笑うのは何者なのか。
ティット
愉快なゲームはまだ始まったばかり!
GM
GM
ねえ、アリス。
GM
新しいアリス。
GM
『貴方』が目を覚まして、どれくらいたったでしょうか?
GM
『貴方』はこの国のことをどこまで知りましたか?
GM
知っていても、いなくても。
GM
あなたたちはもう犠牲を飲み込んだ。
GM
猟奇、才覚、愛。全てを押しつぶし、あなたたちはどこへゆく?
GM
こんな正気じゃいられない世界で。
GM
あなたたちが生きる意味はある?
GM
GM
チュートリアル用 Dead or AliCe シナリオ
「Swallow the sacrifice.」
END
GM