お天道様が見ているぞ
お天道様が見ているぞ
お天道様が見ているぞ


お天道様の目の前で
ばたばた生き物が死んでいくよ

お天道様の目の前で
どかどか屍積もっていくよ

生き物は考えた
我らが愚かだから殺されるんだ

生き物は考えた
我らが醜いから目に毒なんだ

そうして
生き物はお天道様から逃れるために
みいんな地下に潜っていく


やがて
お天道様の目の前で
生き残れたものがいなくなってしまったので

お天道様は目を閉じたのでした











◆◆
「ソラニワ」

◆◆
「空に浮かぶ神の庭。その一つ、ストロールグリーン」

◆◆
「そこに行ってくる」


◆◆◆
「へー、今回はどんなアバター使って行くの?」

◆◆
「生身で行く」

◆◆◆
「……生身って?」

◆◆
「留守は任せた」

◆◆◆
「え?なんて?君って◆◆だよね?ってことは世界そのものだろ。つまり君が言ってるのは、俺に世界を滅ぼさせて、その身の生殺与奪の権利を委ねちゃうってことだぜ」

◆◆
「そなたにはこの世界を任せようと思っていたところだ」

◆◆
「天空に至るべきものがおらぬこの世界で、そなたのみがその権利を宿す」

◆◆◆
「おいおい……荷が重いんだけど。俺は断るよ」

◆◆
「◆◆◆。そなたが却下するならば、我輩は押し通す。世の道理である」

◆◆◆
「そいつもそうだ。だから俺に断る選択なんてできないわけだよ」

◆◆
「案ずることはない。我輩の姿を写す、鏡面を持っていく」

みずたまり
「ゆゆゆ!」

◆◆◆
「水たまりじゃん」

◆◆
「空を写し、そなたはそれを見ることができる」

◆◆◆
「監視しててねってことだろ?めんどくさい彼女かよ!」

◆◆
「監視ではなく疑似観光である。世界を治める片手間に最適である」

◆◆◆
「後半部分を否定しないところがおぞましい」


◆◆
「では頼んだ。土産に花を持ってくる」

◆◆◆
「はいはい……」








◆◆◆
「花、ねえ」

◆◆◆
もうこの世界に花なんてひとつも咲いてないのにさ

◆◆◆
「にしても、どういう意図でこんな簡単に世界を放棄したんだろうな」

◆◆◆
「……まあいっか」

◆◆◆
「さーてーとっ」

◆◆◆
「お天道様がいなくなったのだから、やるべきことは唯一つ」

◆◆◆
「神無き世界で魔王が世界を統べてやろう」

◆◆◆
「まずは地下にいる生き物を叩き起こすところからかな」













*ぴちゃん*


みずたまり
「ゅー」

招待客のTさん
「うむ」


柔らかな芝生に水たまりが湧き出る。
その上には青空のようなコートを身に着けた人物。
祝福するように、周辺の草木が風に揺れる。

みずたまり
「ぴ」

招待客のTさん
「では行くか」


■■は足を踏み入れる。
花を、言葉を。希望を手に入れるために。

いつか、滅ぶ世界を切り離すために。




テンのレポート①
・花。
・興味深い生き物多数。
・人型形態でなくても言語による意思疎通がとれるもの。
・画鋲取得ならず。
・羊。石。
・知人。
・友人。
・林檎にはほど遠い。
・残り6。

【山羊が星の皮を食いちぎる話。】