収穫祭



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「……何読んでるの?」

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「娯楽小説の断片」

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「え、君そういうキャラじゃないでしょ」

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「そうだデートに行こう」

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「先制トンチキ浮かれポンチ意味不明アタックやめて~?」








小雨が闇に纏わりつく夜。


「くゅ……ゆ……」

*うとうと*


子供が眠そうにしながら、木のそばに座り込む。

すると、いつの間にか、傍に毛布が置いてある。

「ゆ……」

子供は、落ちていた毛布をきゅっと握って、あっという間に眠ってしまった。



「……」


いつもより崩れた【それ】は安心したように、子供に近づく。


「積乱雲」


「……ひさしぶり、……でもないか」

「……考えたんだ。あれから」

「わたしが積乱雲を死なせたくないと、願うことさえも、間違っているんじゃないかって」

「……自分ではないモノの命に、願い(呪い)をかけて、縛る(縋る)のは、罪なのか?」

「……」


【それ】は、子供の入っている毛布に、自分も入った。





「……神様は、どう考えてるんだろうな」








朝。
眠っていた子供が起き上がる。


首を動かし、【それ】をはっきり見て。

……あやすように、優しく毛布を触る。

「縺壹▲縺ィ蜑阪°繧臥衍縺」縺ヲ繧九h
 蜷帙?縺薙→縺ッ菫。鬆シ縺励※繧九°繧
 蟆代@縺?縺大セ?▲縺ヲ縺ヲ縺ュ」




「ゆ!」

*すたっ*

*てててっ*





子供は、毛布をそのままにして、どこかへと去っていった……。








その日の夜
ときがすり減る
ときがすり減る
ときが、



しが、動き出す。






「ゆんゆ~」

朝日が照らす林道を子供がぽてぽて歩いている……

すると……




――――――――――――【異界の門が開く】――――――――――――




(突然の念力!)

「きゅゆ~~~~………………」

キュムは、倒れた!▼

*ぽむんっ*

キュムは、どこかに消えてしまった……!▼




「……というわけで、見ちゃいけない子も寝ちゃったようだし、ハロウィンを楽しもうか!」

「……」(こくこく頷いている)



















不気味な子供「はぁー、楽しかったねえ。そろそろ帰ろうか」

怪しい子供「……」

何もない場所に、裂け目ができる。

不気味な子供「この姿でいるのもきついからねー。先帰ってるよー」



*ずずずず*


不気味な子供は裂け目に呑まれていった……。




【表より翻し】

「……」




【裏は来たりて】

「さて」











*くうきがしめっている。*









*ぽむん*

何もない場所から子供が飛び出してきた!

【積乱雲】「ゆゅゆ~」

気絶していた子供が起き上がる。

【積乱雲】「ふゅ。わゎ」

子供はいつものように、無邪気な顔であたりを見回し、

【積乱雲】「……ゆ?」

そして、それに気づく。







【積乱雲】「……!」


黒い、【それ】に。


【黒滲】「――え」


唐突に、終わりは訪れる。




キュムが、【黒滲】の存在をとらえている。




姿を消そうとしても、消せない!

「……どうして……」




■■■「時間だ」




声がどこかから、聞こえる。




【黒滲】「あ、……ああ……そんなっ」

【黒滲】「待ってください、主人」

■■■「ダメだ」

拒絶。

【黒滲】「待って……」

■■■「ダメだ」

打消。

【黒滲】「まだ、まだ、積乱雲は――」








■■■「キュムロー=ニンサバス。こちらを見ろ」







世界の意思。





【黒滲】「ぃや、だ、」

子は、振り返る。

キュム「――ゆゆぅ!」

(やっときみにあえた)

(とけてきえても)

(そうなるべきことが、そうなっただけだ)




【黒滲】「あっ――――――」













*どこかでゆきがふっている。*